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M10新ルールまとめ

 M10から適用される新しいルールについて、公式に発表がありました。
 ここまでの規模のルール修正は、第6版以降10年ぶりで、これらのルール変更には、マジックをより直感的で分かりやすいものにしていこうという意図があります。

 ここでは、それについて簡潔にまとめようと思います。具体的にルール変更によって何が起こるのかは、公式のこちらの記事をごらんください。詳しい説明があります。

Magic 2010 Rules Changes

実質影響の無い変更と、ほとんど影響の無い変更

戦場
 「場」という用語は、墓地やライブラリーという領域用語とイメージを合わせるため、「戦場」という用語になります。クリーチャー戦闘を表すわけではありません。

唱える、プレイする、起動する
 呪文のプレイは「呪文を唱える」、土地のプレイやカードタイプが確定しないものは「プレイする」、起動型能力は「起動する」と表記されます。

終了ステップの開始時
 「ターン終了ステップ」は、「終了ステップ」と呼ばれるようになり、「ターン終了時に」は、「終了ステップの開始時に」となります。

追放
 「ゲーム外」領域は「追放」領域となり、追放領域へカードを移動することを「追放する」、追放領域にあるカードを「追放されているカード」と表記します。
 これに伴い、追放領域はゲーム内の領域と定義されるため、《きらめく願い/Glittering Wish(FUT)》などで追放領域のカードは手に入れることができなくなります。

トークンのオーナー
 トークンが戦場に出る段階でそれをコントロールしていたプレイヤーが、そのトークンのオーナーです。場に出す効果のコントローラーが誰かは関係なくなりました。

ある程度影響のある変更

マリガン手順
 マリガンは、一方がマリガンを終えるまで待つのではなく、両方が同時に行うようになりました。先攻側から順にマリガンするかどうかを宣言し、両方がマリガンを宣言した場合、同時にマリガンします。これにより開始の時間が短縮されます。

マナ・プールとマナ・バーン
 各フェイズだけでなく各ステップを終了した段階でも、マナ・プールは空になります。また、マナ・バーンは廃止されました。

絆魂
 絆魂は常在型能力となり、ダメージを与える際にライフを回復するようになります。絆魂を複数持つ意味はなくなります。

接死
 接死は常在型能力となり、致死ダメージと同じタイミングで状況起因効果により破壊するものとなります。接死を複数持つ意味はなくなります。
 接死持ちから致死ダメージを受けた場合に2度再生する必要はなく、1度ですみますが、接死ダメージを与えられる前に再生の能力を使わなければ、状況起因効果に対して対応するタイミングはありません。
 また、接死は、複数のクリーチャーにブロックされた場合に(あるいは複数の攻撃クリーチャーをブロックできる能力を持っていれば複数のクリーチャーをブロックした場合に)、ブロック・クリーチャー(あるいは攻撃クリーチャー)の順序に関係なく、戦闘ダメージ・ステップにおいてそれらに自由に戦闘ダメージを割り振ることができます。これは次の変更点において重要な意味を持ちます。

大きく影響のある変更

戦闘ダメージはスタックを使わない
 これにより、すでにいない敵に殴られるようなわかりにくさは無くなり、戦闘の内容はより直感的になります。戦闘ダメージ・ステップに入るとダメージは即座に割り振られて与えられ、対応するタイミングはありません。それらは、ブロック・クリーチャー指定ステップの間に行わなければならないでしょう。具体的には、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは次のようなシステムに変更されます。

1.
 ブロック・クリーチャー指定ステップに入ったら、ブロック・クリーチャーを宣言する。
 攻撃クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされたら、それらのブロック・クリーチャーの”順番”を、攻撃プレイヤーが決める。

2.
 お互いに呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
 (このとき、《瞬間群葉/Flash Foliage(DIS)》のようなブロック状態のクリーチャーが登場し、その結果クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされたことになった場合、その登場したクリーチャーだけは、攻撃プレイヤーが好きな”順番”に加える。すでに決まっている”順番”の頭か、お尻か、胴体の中に割り込ませるということ。)

3.
 戦闘ダメージ・ステップに入ったら、戦闘ダメージを割り振る。
 複数のクリーチャーにブロックされている攻撃クリーチャーは、”順番”に従い、1体目のクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。それが致死ダメージに達していれば、残りの戦闘ダメージは、1体目にも2体目にも割り振れる。2体目も致死ダメージに達するダメージを割り振れれば、残りは2体目にも3体目にも割り振れる。以下同文で、すべての戦闘ダメージの割り振りが適正に終わったら、即座に戦闘ダメージを解決する。
 接死のような能力がある場合、”順番”を気にせず、好きなように割り振れる。

 第6版のインタラプトのように、M10の戦闘ダメージの扱いなどは、既存のプレイヤーが反対するかもしれません。しかし、プレイすればいずれ慣れる類のものだと思います。また、ルールの整備によるカードへの影響は、新セットが登場するのと同様、変わりゆくゲームというマジックの特徴だと思います。個人的には、よりわかりやすくなったのでは、と思っています。
 プレリリースにおいて、そしてそれ以降も、この新しいルールを皆さんが楽しめるように願っています。



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