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公式ページで見る未来のカード:アラーラの断片1・2・3

 新セットの発売が近くなってくると、どんなカードがあるのか想像が膨らんできませんか?
 そんなマジックプレイヤーのために、公式サイトでは新しいカードの紹介記事がいくつも書かれています。まったく情報を見ないでプレリリースイベントに参加するのもよいと思いますが、公式サイトで紹介されているカードは、これを紹介することによってプレイヤーの皆さんが盛り上がるという考えの下に選ばれているはずです。であればその考えにのっとり、よりプレリを楽しむために見てみるのもよいのではないでしょうか。
 ここではそんな新カードを眺めて、カードの感想やエキスパンションの雰囲気、そして未来の環境について考えてみましょう。

 なお、新カードはこちらにまとめられています。→アラーラの断片:画像付きカードリスト
 この記事では、一番下の右側から左上に向かって1枚ずつコメントしていきます。カードの画像はウィザーズのサイトのものです。

《ヘルカイトの首領》

 神話レア。重い、でかい、強いの三拍子ですね。どうもアラーラの断片という世界は、5つの断片に切り裂かれた世界らしいです。その5つの世界ではそれぞれ友好3色で構成されているという按配です。
 4黒赤赤緑というコストから見れば、これはおそらくジャンドと呼ばれる危険な火山地帯の断片における伝説的な存在なのでしょう。
 いったん場に出てしまえば、8/8飛行トランプル速攻。赤マナでパワーパンプ、緑黒で再生と手のつけようがありません。まさに首領にふさわしい実力ですね。
 神話レアはどうもこういう重くて強いって感じのカードが多いようです。マジックもキャラクターをより前面に出してくるようになったということでしょうか。まあ、これならレア土地と違って無いとデッキが組めないということもないので、よいのではないでしょうか。
 フレーバーテキストのサルカン・ヴォルというのはプレインズウォーカーですね。カードを見る限り、彼はドラゴン使いのようです。

《復讐のアジャニ》

 神話レアのプレインズウォーカー。《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane(LRW)》と同一人物です。……多分。プレインズウォーカーのサブタイプが同じだとどちらも墓地におかれるので、伝説のクリーチャー同様、同じ存在である、と思います。
 何があったのか定かではありませんが、復讐の赤い炎を身に着けたアジャニの能力は以前よりも攻撃的です。忠誠を+1する能力は土地に使えば相手の動きを拘束し、−2すれば《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》。−7の能力はプレイヤー1人の土地をすべて破壊!
 《ハルマゲドン/Armageddon(6ED)》のように土地を拘束するカードは何度かリメイクされてきましたが、アジャニはどうなるでしょうか。さすがに4ターンも相手が放置してくれるとは思えませんが……逆にいえば、相手にとっては必ずアジャニを取り除かなければならないでしょうね。
 緑を足して3色にして《光らせの子/Gilder Bairn(EVE)》を入れておくとあら不思議、出した次のターンには相手の土地が全部なくなります。赤緑白のナヤという断片世界があるので、この3色を出しやすくするサポートカードも登場するかも?

《猛きセロドン》

 4赤白、5/5速攻警戒。シンプルなアンコモンですね。
 速攻が赤の能力、警戒が白の能力。白赤クリーチャーなのだから両方持っていてもまったくおかしくありません。最近はアドバンテージが取れるクリーチャーが重要視される傾向がある中、「殴って守るだけです!」という潔さ。その分サイズに還元されています。
 6マナという重さ、アドバンテージの取れないカードということで構築トーナメントでの出番はないでしょうが、安価にデッキを強化したい初心者やカジュアルプレイヤーにはオススメです。頼れる主力になってくれることでしょう。
 フレーバーテキストを見ると、セロドンというのはナヤ世界の霧の中に住んでいて、怪しいやつを感じたら突っ込んでいくという危険なビーストのようです。フレーバーからも速攻と警戒という能力の雰囲気を感じ取れますね。

《求道者テゼレット》

 新しい神話レアのプレインズウォーカー。はて、単色のプレインズウォーカーと多色のプレインズウォーカー、両方5セットずついたりするんでしょうかね。
 「ボクは何でも知ってるよ!」という感じの《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(LRW)》とは違って、どうやらアーティファクトの扱いに長けた魔術師のようです。+1のアーティファクトを2個アンタップは危険な能力。マナ・アーティファクトを2個アンタップすると使えるマナが増えますからね。そんなカードが場に出ていないとすれば、−Xでライブラリーから持ってくればよいでしょう。ずらっと並べたアーティファクト、−5すればすべて5/5のアーティファクト・クリーチャーに変身!
 《神の怒り/Wrath of God(10E)》のような全体除去との相性がよさそうです。マナ・アーティファクトをずらっとならべてターボ《脱出/Evacuation(10E)》デッキの完成、なんて夢見すぎでしょうか。

《風生みの魔道士》

 白青黒のエスパー断片世界からやってきたサイボーグ戦士。アーティファクト・クリーチャー−人間・ウィザードってサイバーな響きですよね。ロボットじゃないよ、アンドロイド……でもないよ。
 色拘束は厳しいですが、3マナ2/2絆魂ならまあ悪くはないでしょう。墓地にアーティファクトを落としておけば飛行がつきます。リミテッドではこの3色の基本戦力になりそうですね。構築トーナメントではお呼びじゃないですが、コモンデッキでは立派なヒーロー、いやヒロインになってくれると思います。
 フレーバーテキストを見る限り、実は風を生み出しているんじゃなくて風に乗って飛行してそうな気もするのですが。

《破片撒きのスフィンクス》

 青専用アーティファクト・クリーチャー。レアだけあり、なかなかのパワーを感じ取れます。
 6マナ4/4飛行という基本ボディに、トークンを生み出すアドバンテージ能力を内包しているのが最近の流行にあわせた感じですね。
 トークンを生む条件が「アーティファクト・クリーチャーがプレイヤーにダメージを与えるたび」なのに生まれるトークンはアーティファクト・クリーチャーという自作自演もはなはだしいスフィンクスです。
 青のフィニッシャーとして構築トーナメントで出番があるかも、ないかも。これだけアーティファクトが出てくると、アーティファクト破壊で対処されちゃうかもしれませんねえ、《粉砕の嵐/Shatterstorm(10E)》とか。
 生命とは増えようとするものだよというありがたいお言葉がフレーバーテキストには記されています。

《アミーシャの口づけ》

 白青の6マナソーサリー。白がライフ回復、青がドローをつかさどっています。
 ライフを回復してカードを引きたいのはコントロールやパーミッションといったデッキであり、白青という色の傾向にも合致します。しかし6マナを自分のターンに支払っては次の相手のターン思いっきり無防備になってしまいます。これはパーミッションでは特に許容しがたい状況でしょう。
 となると、7ライフという分量が相手の1ターンのダメージを上回り、カウンターやインスタント除去などでマナを残す必要が無い状態、かつボードでのアドバンテージを気にしなくてよい状況が必要になってきます。そうですね、バーンデッキに対するサイドボードカードとしての出番があるのではないでしょうか。でも《復讐の亜神/Demigod of Revenge(SHM)》だけはかんべんな。
 一方フレーバーを見てみましょう。アクラサってのはおそらくバント断片世界の中にある街か建物あたりの名称だと思います。レオトーってのは騎士と同じ階級的な名称か、職業でしょうかね。で、天下一武道会みたいな催しがあって、優勝者とか優秀な成績を収めたものにアミーシャという名前の天使がキスをしてくれるそうです。うらやましいですね。

《クァーサルの伏兵》

 1緑白でプレイできる、2/3のアンコモン猫さんです。
 緑なので到達を持っているのがひとつめの特徴、ふたつめは白らしい能力で、カード名の伏兵を表しています。
 相手がこちらにクリーチャーで攻撃してきて、かつこちらは《平地》と《森》をコントロールしている、という状況に限り、なんとマナ・コストのかからない瞬速クリーチャーとして使えます。
 3ターン目に3マナクリーチャーを出して終了、相手がしめしめと2/2飛行あたりで攻撃してきたら突然ドラの音がジャーンジャーンと響き渡り、2/3到達クリーチャーでブロックというびっくりの状況。相手は「ゲェッ孔明!」と驚いてくれるに違いありません。
 仮に3/3や、ブロックできないクリーチャーで攻撃されたとしても、とりあえずマナを使わずに場にパーマネントを送り込めるというのはおそらく想像以上の働きをしてくれるはずです。アンコモンなのでそれほどの費用をかけずにデッキを強化できると思います。
 この伏兵、怖い顔をしているうえに恐ろしい声をあげて襲い掛かってくるらしく、フレーバーにあるとおり刃ではなく声で心臓麻痺とかしてしまいそうです。

《急使の薬包》

 5色分サイクルがありそうな青専用コモンアーティファクト。
 2マナで置いて、好きなときに2マナ払ってカードを2枚引けるという便利なアーティファクトです。これはマナを分割したことによる軽さと、必要なときに使える便利さでコモンデッキから構築トーナメントまでよく見かけるカードになると思います。
 薬包というのは粉薬が包まれた紙のことですが、エスパー断片世界では言葉を包んで送るようですね。電報みたいなものでしょう。

《ジャンドの戦闘魔道士》

 これまた5色分サイクルがありそうなジャンドカラーのクリーチャーです。これまでは友好色のタップ能力を持つカードというのは大体コモンに多かったのですが、今回はアンコモンで登場。
 黒でプレイヤーのライフを1点失わせ、緑で1/1の苗木トークンを生産。トークンを生み出せるカードなので構築トーナメントで使われる可能性はありそうですね。リミテッドでもブロックにとどめにと活躍は間違いありません。安上がりにデッキを強化するにも向いています。
 フレーバーテキストを見る限り黒能力で相手の血を奪って、それを注いで苗木を生み出しているようです。アルラウネとか生まれそうでちょっと怖いです。

《冷静な天使》

 3色4マナでプレイできる3/4飛行警戒の天使様です。
 これが出ているとクリーチャーはお互いに1体しかアンタップできないため、クリーチャーを3体も4体も並べて攻撃するウイニーやホードにとっては苦手なカードになるでしょうね。
 一方でこちらは警戒があるので別のクリーチャーをアンタップして2体で攻撃できます。有利ですね。でもこういった状況だと大抵はお互いにクリーチャーを起きたままにしておくので、ブロッカーがいて邪魔な気もします。
 デッキに警戒持ちクリーチャーをたくさん入れて、ついでにタッパーも入れると面白いですね。盤面への影響が地味なのであまりトーナメントでは使われないかもしれません。そうすると安くデッキを強化する材料にはなりそうです。
 フレーバーテキストからは、この世界の秩序あるピラミッド階級が垣間見えます。

《ゴブリンの突撃》

 ついにゴブリンも突撃する時代ですか。
 3マナのエンチャントで、それ以外にコストを必要とせず毎ターン1/1速攻ゴブリン・トークンを生み出す効率はたいしたものです。
 代わりに、ゴブリンは毎ターン攻撃に参加しなければならなくなりますが、速攻デッキならば大きな問題ではない……とは近代マジックではちょっといいにくいところもありますね。でも、トーナメントで使われるんじゃないかなと思います。ゴブリンデッキである必要はないかも。
 フレーバーテキストを見る限り、この世界のゴブリンはどうも戦闘に関してはそれほどバカではないようです。しかし、相手がデカくても立ち止まらずに戦いを挑むあたり、やっぱりバカなのでしょうか。

《ナヤの戦闘魔道士》

 戦闘魔道士サイクル。
 能力がどちらもクリーチャー依存なのでトーナメントでの活躍は無いかもしれませんが、リミテッドではタップにクリーチャー強化と役に立ってくれるでしょう。
 三つの魔法の流儀を全部学んできたわりには、2つしか使ってくれないイケズな女性ですね。

《荒廃稲妻》

 3マナでプレイヤーに3点ダメージと手札2枚を捨てさせる、効率のいいカード。
 手札破壊に3点ダメージがついてくると考えれば《精神腐敗/Mind Rot(10E)》より優れていると見ることもできますが、逆に火力として見た場合はプレイヤーにしか撃てないのが難点でしょうか。
 赤黒のマシンヘッド的デッキが登場すれば使われる可能性はありそうです。
 脳みその燻る匂いは珍しいって、そんなにされたら精神がどうこうとか手札がどうこうじゃなくて即死だと思います。

《ロウクスの戦修道士》

 アンコモン3色クリーチャーシリーズ。
 3マナ3/4絆魂。地上をがっちり守ってくれる感じですね。ライフゲイン可能なビートダウンは通常のビートダウンに有利な相性なので、トーナメントで回避能力を持たないビートダウンの人気が高まれば出番は十分にありそうです。アンコモンなので安くデッキを強化するのにも向いていますね。
 しかしなんでサイの周りをコインが回っているんでしょうかね。これがこの断片で色々と配られている印章というやつなんでしょうか。

《塔のガーゴイル》

 アンコモン3色クリーチャーシリーズ。
 今のところ4種類がわかっていますが、そのうち唯一無色マナを1つ含んだ4マナクリーチャー。その甲斐あってか、4マナ4/4飛行と特にペナルティなく回避能力を手に入れています。色マナの要素が違うとはいえ、《大気の精霊/Air Elemental(10E)》に謝るべきです。あと《塔のドレイク/Tower Drake(INV)》にも。
 リミテッドではかなりの極悪カードになる予感はしますが、構築トーナメントではインパクトが薄いかな。安上がりにデッキを強化するにはよいでしょう。
 プレインズウォーカーのテゼレットさんはアーティファクトの扱いが得意なだけはあってこの断片を利用しているみたいですが、住みたいとは思っていないようですね。

《カルデラの乱暴者》

 歴史上5体目の乱暴者。
 5マナ3/3とやや小さめですが、クリーチャー全体に3点ダメージを与える全体火力搭載。そのままだと自分が死んでしまうオチ付きですが、さすがはレア。解決手段をちゃんと内蔵してあります。
 それが新キーワード能力貪食。クリーチャーを生け贄に捧げた数に応じて+1/+1カウンターを置いた状態で登場することができるので、3点で死んでしまう味方のクリーチャーを1体食べておけば安心です。生け贄に捧げる判断は場に出るに際し行うので、カウンターされたときは無駄にクリーチャーを失わずにすむのでこれまた安心。
 リミテッドでは大惨事が起こること間違いありません。構築ではウイニーが流行れば……と思いますが、《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender(LRW)》を持つ白ウイニーにはあまり効果が見込めませんし、難しいところでしょうか。

《死体の鑑定人》

 5マナ3/3なのでアンコモンとしては普通レベルのサイズですが、もともと戦闘用ではありませんね。5マナでライブラリーから墓地にリアニメイト用の巨大クリーチャーを設置できるチャンプブロッカーといったところでしょうか。蘇生という新キーワード能力を持っているので、1枚のこのカードで2枚のクリーチャーをライブラリーから墓地に置くことができます。
 あとは墓地から吊り上げるカードがあればデッキにはなりそうですが、やや遅いかもしれません。
 ソーサリーやインスタントやアーティファクトといったほかのカードも墓地に送れれば、なんでも鑑定団に入れたであろうところが惜しいですね。

《精神の契約》

 5マナで、「相手が見て認めた上から3枚」か、それを墓地に送って手に入る「次の上から5枚」が手に入るソーサリー。
 5マナで3枚引ければ悪くは無いのですが、それが相手に見えていてかつ相手がOKするレベルのカードという点にはなかなかの問題があります。3枚中に強いカードがあって初めて駆け引きが生まれる呪文ですね。
 3枚の中に致命的な呪文があれば、相手はそれをキャンセルして5枚というひどい枚数を引かせるか、その3枚を許可するかを選ばなければなりません。ソーサリーという点を考えて、トータルで見て及第点のカードなのではないでしょうか。あまり構築トーナメントでは見かけないことになりそうです。同じ5マナのソーサリーなら《連絡/Tidings(10E)》で確実に4枚引けますしね。
 サインする前によく内容を確認するのは、どこでも同じだと思います。対戦結果報告用紙もよく見てから名前を書きましょうね。

《器用な決闘者》

 2マナ2/1先制攻撃被覆。戦闘中に除去呪文などでちょっかいを出されることはありませんのでなかなか序盤頼れるリミテッドクリーチャーだと思いますが、相手のサイズが大きくなればそれまで。こちら側から強化できないのも悩みどころですね。
 コモンデッキで2マナ域を埋めるクリーチャーになると思います。
 印章を盗むようなのでバント世界のクリーチャーだと思いますが、しかしこの世界にも泥棒がいるんですねえ。名誉をお金で買うようなことはよくないです。

《処刑人の薬包》

 青に続く黒のアーティファクトコモンサイクル。
 これ実は5種類じゃなくて、エスパー世界の3色分しかないんじゃないでしょうか。すごいぜエスパー世界。
 効果は置いておける《闇への追放/Dark Banishing(9ED)》。この多色世界ではちょっと辛そうですが、トーナメントでも使えるレベルだと思います。

《長毛のソクター》

 アンコモン3色クリーチャーシリーズ。
 3マナ5/4と超シンプル、超パワー。さすがナヤ世界です。安くデッキを強くするのにも、トーナメントでビートダウンするにも向いていますね。
 凶暴なガルガンチュアであるソクターは回りにあるものを何でも捧げ物とか贈り物と思っちゃうそうです。食われる側にとってはたまったものじゃないですね。眼科行ってください。

《サルカン・ヴォル》

 出ました、プレインズウォーカー。ステロイド使い待望の色の組み合わせですね。
 忠誠心4からスタートで、全体強化+速攻で+1、《脅しつけ/Threaten(10E)》で-2、そして6以上忠誠心が溜まれば-6で4/4飛行ドラゴン・クリーチャー・トークンを5体も出すことができます。
 2ターン目に2マナ2/2、3ターン目に3マナ3/3(アタック2点)、4ターン目にサルカンを出して3/3・4/4で攻撃(アタック7点)、5ターン目に5マナ4/4ぐらいのクリーチャーを出して3体でアタック(12点)、この時点で相手がカカシ相手に21点をたたき出すことができます。たとえ相手が多少抵抗してきても、次のターンに4/4飛行を5体出せば勝利は目前でしょう。
 トーナメントでも活躍できるパワーはあると思いますが、問題は赤緑のデッキがトーナメントに存在できるかどうかでしょうね。

《戦誉の天使》

 5マナ4/4飛行というベースに賛美という新能力を持ったレア天使です。
 賛美を持つクリーチャーがいる状態で、クリーチャー1体のみで攻撃すればそのクリーチャーは+1/+1されます。つまりこの天使は実は5マナ5/5飛行になれるポテンシャルを単体で持っているのです。
 さらにこの天使は、単体で攻撃したクリーチャーに絆魂を持たせる能力まで持っているので、5マナ5/5飛行絆魂というハイポテンシャルクリーチャーが真の姿と言えます。
 状況に応じてほかのクリーチャーで攻撃することで+1/+1と絆魂を与えたり、賛美持ちクリーチャーを複数並べて自分でアタックしたりと、トーナメントで活躍できるだけのパワーはあると思われます。リミテッドでは自分の2/2が3/3を相手に果敢にアタックして3ライフ獲得するなど、レアらしい強さを見せてくれることでしょう。

《印章持ちの聖騎士》

 《白騎士/White Knight(4ED)》から連綿と続く、白マナダブルシンボルで2マナ2/2に2つ能力のついたアンコモンです。その2つの組み合わせは、先制攻撃と賛美。なんと自力で3/3先制攻撃としてアタック可能なナイスガイです。
 序盤から先制攻撃で攻め込むことができますし、突破できないブロッカーが出てきても味方を賛美でサポート出来るため無駄にならないのがよいですね。
 キスキンではない白ウイニーデッキが登場すれば2マナ域の候補になるでしょう。

《スフィンクスの君主》

 多分エスパー世界のボスである神話レアのスフィンクスです。8マナだけあり6/6飛行という十分なサイズを持っています。
 でもそれだけでは物足りないので、起きていれば3ライフ回復、寝ていれば相手が3点のライフを失うという追加効果も会得しています。たとえタッパーでタップされても相手は3ライフを失い、自分が危険に陥っていれば飛行6/6をブロッカーとして立たせておきつつ毎ターン3点回復できる、どんな状況でも役に立ってくれるフィニッシャーですね。
 ところでフレーバーテキストの謎解きの答え誰か教えてください。

《野生のナカティル》

 1ターン目に出すと1マナ1/1ですが、2ターン目に《山》を置けば2/2、3ターン目に《平地》を置けば3/3になってくれます。リミテッドやコモン3色デッキでは序盤の有効なクリーチャーになりますね。
 ほかには特に書くことが無いですね……猫なので猫デッキにも。

《芽吹くトリナクス》

 アンコモン3色クリーチャーシリーズ。
 3マナ3/3と3色にしてはやや小さめですが、死ぬと1/1の苗木トークンが3個出る驚きの生命力です。《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider(TSP)》などを思い出しますね。
 アドバンテージを取れるカードなので、トーナメントで使われる可能性は十分にあると思います。
 食物連鎖で食われるための存在のようですが、トーナメントでは対戦相手を食う頼もしい味方になってくれそうですね。

《秘儀の聖域》

 タップインで出てくるアンコモン3色ランド。手軽に多色デッキを助けてくれる便利な土地です。
 しかしこの新参の土地は、インベイジョンのタップイン2色ランドや、テンペストのタップインダメージ2色ランドに土下座して謝るべきだと思います。

《ナヤの全景》

 3種の基本土地を持ってこれるコモンの土地。この土地自身がアンタップ状態で出てきて無色マナを出せるので、色がそろってる中盤での速度減少がないところがよいですね。
 コモンデッキなどで多色デッキを作るときには重宝するでしょう。

《セドラクシスの死霊》

 3マナ3/2飛行の攻撃的なレアスペクターです。スペクターなので戦闘ダメージを与えれば手札を1枚捨てさせることができます。
 蘇生を持っているので後半にアタッククリーチャーを1体増やしたいときにも1回だけ参加してくれますし、蘇生の起動マナは黒色だけなので墓地から飛行パワー3+手札1枚破壊という使い方も悪くなさそうです。
 カードパワーはトーナメントクラスですが、入るデッキが存在するかどうかにかかりそうですね。

《マイコロス》

 こんなに強そうなレアファンガスは初めて見ました。5マナ4/4という素のサイズに加え、貪食2があるので1体生け贄にするごとに+1/+1カウンターが2つ置かれるため、簡単にとんでもないサイズになります。
 このままだと相手の再生クリーチャーにブロックされて終わりですが、さすがはファンガス、置かれている+1/+1カウンターの数だけ、自分のアップキープに1/1苗木トークンを生み出すという破格の性能です。
 2〜3ターンであっというまに相手のクリーチャーの数倍の軍隊ができあがることでしょう。

《古霊の踏み行く所》

 5マナと重いので出したターンには何もできそうにはありませんが、次のターンからとにかくパワー5以上のクリーチャーを出していけば相手は壊滅状態になることうけあいです。
 クリーチャーをゲームから一時的に取り除いて場に戻すようなカードとも相性がよいですね。ビッグマナのようなファッティデッキが登場すれば、トーナメントでも見かけることがありそうですが、はたして。

《槍折りのビヒモス》

 7マナ5/5なので前述の《古霊の踏み行く所》とかみ合いますね。しかも破壊されないので安定感抜群です。
 マナを払うことでほかのパワー5以上のクリーチャーも破壊されなくすることができるので、多少マナを残しておく必要はありますが夢のファッティ軍団が相手を蹂躙することも夢じゃないかもしれません。
 はたしてパワー5デッキは完成するのでしょうか。

《エーテル宣誓会の法学者》

 エーテリウムを受け入れない人は1ターンに1度までしかカードをプレイできませんよと無茶を言い始めるエスパー世界のクレリックです。さすがにレアは無茶を要求してきます。
 これがいるかぎり、相手がクリーチャーをプレイしてきたら戦闘スペルは使ってきませんし、ソーサリーをプレイしてきたら追加のブロッカーは登場しません。一方でこちらはエスパー世界のクリーチャーを展開しつつ、カウンターを手札に残しておけるわけです。
 しかしこちらが自分からインスタントなどをプレイすればそれは相手に確実にカウンターされてしまうので、アーティファクト・クリーチャーで状況を押していけるデッキにする必要がありますね。幸い2マナ2/2なので、序盤から攻撃しつつ相手の行動を押さえ込むことが可能そうです。
 ちょっと、頭のあたりが、グロテスクっぽいのが難点ですね。

《エーテリウムの達人》

 エスパー世界のロード・クリーチャー。アーティファクト・クリーチャーをたくさん並べると自分もみんなも強くなるというシンプルなレアです。
 3ターン目に3/3として出てくることも難しくはなさそうですが、デッキの構成が難しそうですね。
 《粉砕の嵐/Shatterstorm(10E)》とか怖くてトーナメントでは……いやいや、エスパー世界のほかのカード次第でしょう。
 ところでこの人、もはやサイボーグというよりはエネルギー生命体になってませんか?

《精神固めの宝珠》

 ライブラリーからカードを探せなくなるエンチャント。《原初の命令/Primal Command(LRW)》や《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess(LRW)》のようなカード対策として悪くなさそうです。
 ならず者機械技師部隊ごときが作ったゴーレムで脅かされるスフィンクスの支配、案外危ういものがありそうですが……。素材がミスリルとかだったんでしょうか。

《百蘭の騎士》

 名前がかっこいい2マナ2/2先制攻撃の騎士です。
 この騎士さん《土地税/Land Tax(4ED)》的な能力を保有していまして、出したときに相手のほうが土地が多ければライブラリーから平地カードを1枚場に出せます。基本土地でなくてもよいので環境の平地カードによっては強い土地を持ってこれるようになるかも知れませんね。
 土地事故のリスクを減らし、後攻時に順逆自在の術(後手なのに相手よりもマナ展開が早くなる状況)が使え、デッキをわずかに圧縮してくれる、そして本人は2/2先制攻撃として戦闘で活躍という一粒で何度もおいしいカードです。
 多分、このごついライオンを探すのが大変なのでレアなんでしょうね。

《血流を飲む者》

 6マナ4/4飛行のボディに《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire(10E)》能力、重くなった1マナの分でタイマン勝負ができるようになりました。
 クリーチャー除去のできる、成長するフィニッシャー。どう見ても強いです。起動型能力に必要なマナが赤いので、2色以上のデッキで使うことになりますが、色を増やす価値は十分にあるでしょう。何らかの手段で速攻を持たせると本当に除去になります。
 相手がでかぶつしかいなければ、味方の不要になったザコを共食いして強化できるのもポイントです。リミテッドではこれに味方を全部食われる人とか出てきそうですね。相手の側からは登場して欲しくないクリーチャーです。

《バントの魔除け》

 魔除けシリーズがこのセットにも登場しました。3色を必要とするアンコモンの魔除けです。
 バント世界の魔除けは緑魔法のアーティファクト破壊、白魔法のクリーチャー追放、青魔法の《緊急阻止/Flash Counter(8ED)》の三本。これはリミテッドでも構築でも使えそうですね。
 邪悪も混乱もない均整の取れた世界の魔除けです。


 今回はここまでです。

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