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フィーチャー・マッチ: ラウンド4
ロマン・リシャンドロ(フランス) vs 津村健志(日本)

原文:Feature Match: Round 4 - Romain Lisciandro (FRA) vs Kenji Tsumura (JPN)
執筆:デビッド・サトクリフ
翻訳:Miwa"Kuin"Yuusuke

 どのようなグランプリでも、4ラウンド目からが真の勝負です。それは3BYEを終えた有力なプレイヤーと当たる最初のラウンドだからで、気がつけばレジェンド・プレイヤーとの対戦が組まれているかもしれません。
 これは両方のプレイヤーに緊張をもたらします ― プロプレイヤーは、3勝してきたプレイヤーのデッキが強いことを知っています。勝ち上がってきたプレイヤーは、3BYEを持つプレイヤーが優れたプレイヤーであることを知っています。もっとも、優れたシールドデッキを引いているとは限りませんが。

 ところがこのラウンド4のフィーチャー・マッチでは、どちらのプレイヤーも3BYE明けです ― 青コーナーは日本からの遠征者、奇才津村健志。対戦相手はフランスのロマン・リシャンドロ。
 自分のだけではなく相手のデッキの強さもわからないままの勝負となりました。

 リシャンドロの先攻から始まったゲームですが、津村が先に攻め上がります。《ゴブリンの死の略奪者/Goblin Deathraiders(ALA)》が《ヴァレロンに仕える者/Steward of Valeron(ALA)》の脇を突撃して先制点をあげます。
 次のターンで《ゴブリンの死の略奪者》は《アニマのドルイド》と相打ちになりますが、津村は続けて《臓物を引きずる者/Viscera Dragger(ALA)》を展開します。しかし3/3というサイズが有効だったのはリシャンドロが《長毛のソクター/Woolly Thoctar(ALA)》を出してにらみを利かせるまでの短期間でした。

 津村は《長毛のソクター》への解答を探すために《峠のラネット/Ridge Rannet(ALA)》をサイクリングしますが、何も手立てがなく攻撃をスルーします。
 リシャンドロは《ナヤの戦闘魔道士/Naya Battlemage(ALA)》を場に投入してブロック・クリーチャーをタップできるようになり、ジャパニーズ・スーパースターは震えたように見えました。しかし震えたのは状況に困っているからではなく……。
 《蔓延/Infest(ALA)》と《マグマのしぶき/Magma Spray(ALA)》をプレイした津村はフランス領土を殲滅しつつ、《臓物を引きずる者》を場に残します!
 《枝分かれの稲妻/Branching Bolt(ALA)》でリシャンドロもやり返し、場はリセットされます。このときのライフは津村が11、リシャンドロが9とやや津村が有利です。

 その後《ゴブリンの死の略奪者》を出した津村に対し、リシャンドロは《イーオスの騎士長/Knight-Captain of Eos(ALA)》という脅威を展開して進軍を再開します。
 津村は続けて出てきた《熊手爪のガルガンチュアン/Rakeclaw Gargantuan(ALA)》には持っていた《処刑人の薬包/Executioner's Capsule(ALA)》を使い、《騎士長》と《死の略奪者》で相打ちを取って場を再び綺麗にします。双方のライフは8と同点です。
 ここまではカードを失いつつ必死にダメージを与えあう互角の消耗戦であることは明らかです。

(ロマン・リシャンドロはトップから死を呼び出す)

 《ヘルカイトの首領/Hellkite Overlord(ALA)》? はいはい、有難う御座いました。
 判りやすい話です。リシャンドロは8/8の神話レアを呼び出し、津村にはそのサイズとブレスに対する解答がありません。慎重に可能性を検討していた序盤は消し飛びました。

ロマン・リシャンドロ 1 - 0 津村健志

 2ゲーム目はお互いに《アニマのドルイド》からの展開となりましたが、リシャンドロが《水膨れ虫/Blister Beetle(ALA)》で津村のエルフを除去して序盤をリードします。リシャンドロは《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax(ALA)》でそのリードを広げ、4勝に向けて着々と動き始めました。

 この状況を津村は除去で立て直します。《処刑人の薬包》を展開し、《芽吹くトリナクス》は《忘却の輪/Oblivion Ring(ALA)》を使うことで苗木トークンを生み出させること無く取り除きます。仕上げにフランス軍の《アニマのドルイド》は《マグマのしぶき》で除去します。《ゴブリンの死の略奪者》が《水膨れ虫》と相打ちを取ると、1ゲーム目のようにクリーチャーが場からいなくなりました。
 このときリシャンドロのライフは15ですが、津村はライフ17で、さらに手札に未使用の《処刑人の薬包》を温存しています。

 リセット後は常に先に動いていたリシャンドロは、7マナあるにもかかわらずただターンを終えます! この機を津村は逃さず、2体の《ゴブリンの死の略奪者》で攻めようとします!

(《グリクシスの全景/Grixis Panorama(ALA)》で《Maze of Ith(DRK)》を取り出せないかな)

 津村にとって不運なことに、リシャンドロが8マナで動くことが判明します。リシャンドロのターンに再び《ヘルカイトの首領》が滑り出し、速攻で津村のライフを半分にします。さらに次のターン、最初のゲームと同様に相手を滅殺します ― それは炎が渦巻く死黒の翼と爪の悪夢。

ロマン・リシャンドロ 2 - 0 津村健志

「ごめんね」
 リシャンドロは神話レアがたやすく勝利を運んできたことで少し気まずそうでした。
 津村は微笑んで気にしない風でしたが、参加人数の多い大会においてのラウンド前半での負けが二日目進出を難しくすることを知っています。
 もっとも、リシャンドロにとっては飛行する勢いの、そして速攻と炎のブレスまでついたグランプリスタートとなりました!


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